セツナと嘘つき狩人

あらすじ

最強種の魔物として生まれてきたキメラの少女セツナは、それにもかかわらず群れのみんなから仲間外れにされていた。

自身の努力が認められず、やがて他の魔物たちから殺されてしまうと直感したセツナは、キメラの固有能力である『擬態』の力を使って人間になりすまし、人の世界ですべてをやり直そうと考える。

街への侵入に成功したセツナはそこで、魔物退治を生業とする狩人の男、ギルと邂逅。

英雄の象徴である『キメラ殺し』を夢見ていたギルは、突然現れたその美しい少女がキメラの子どもであると即座に見抜き、嘘をついてセツナを誘導。
罠にかけて討伐しようと画策するが、しかし……?

  • 第一話 キメラの少女、群れを抜ける

    「――我ら『混合魔獣キメラ』種は、すべての生物の頂点に位置し、 高い知能でもって他の魔物を導く――。 そうだな? セツナ。 私が言っていることは、なにか間違っているか?」  わたしは黙りこんだ。 目の前には、この地域の魔物を統べる…

  • 第二話 狩人の男、獲物を見つける

    ――男主人公視点―― 一年くらい前、俺にも仲間がいた。 貴重な、仲間だった。 そいつらは俺にはもったいないくらい人のできた連中で、しかも、当時のクォリックで唯一、キメラの王を倒せるとまで言われたほど実力のある狩人たちだった。 そんな連中のチ…

  • 第三話 魔物退治

     ――セツナ視点―― いい案内人ができたぞ! 見つけたのは、ギルとかいう青い髪の男。 ちょっと覇気はないし弱そうだけど、これくらいのほうが手綱を握るのにはちょうどいい! 買ってもらったばかりの熱い串焼きをほおばりながら、わたしはギルに笑いか…