セツナと噓つき狩人

第六話 はじめての探検

 ――セツナ視点 今日は街を探検しに行こうと思った。 わたしがここに来たのは、人間として生まれ変わるためだ。 もっと人間のことを知らなければ、いつかどこかでぼろを出して、正体がバレてしまうかもしれない。 わたしは意気揚々とギルの家を出て、街…

 第二章
第五話 ヴィジョン

 ――ギル視点―― 夢を見ていた。 食い物がたくさんあって、空から甘いお菓子がたくさん降り注いでくる夢だ。 自分はそれらをたらふく食って、ふくれた腹を満足げにさする。 ……いや、なんだこれ。 俺はいつの間にこんなガキみたいな夢を見るようにな…

第四話 セツナ

 ――ギル視点―― やっぱりキメラだった! 直接は見れなかったが、こいつが使ったのは『紅蓮の爪』と呼ばれている技とみてまず間違いない。 自身の爪に灼熱の炎をまとわせて攻撃するキメラの得意技。 かつてこの技で何人もの熟練狩人が消し炭にされたと…

第三話 魔物退治

 ――セツナ視点―― いい案内人ができたぞ! 見つけたのは、ギルとかいう青い髪の男。 ちょっと覇気はないし弱そうだけど、これくらいのほうが手綱を握るのにはちょうどいい! 買ってもらったばかりの熱い串焼きをほおばりながら、わたしはギルに笑いか…

第二話 狩人の男、獲物を見つける

――男主人公視点―― 一年くらい前、俺にも仲間がいた。 貴重な、仲間だった。 そいつらは俺にはもったいないくらい人のできた連中で、しかも、当時のクォリックで唯一、キメラの王を倒せるとまで言われたほど実力のある狩人たちだった。 そんな連中のチ…

 第一章
第一話 キメラの少女、群れを抜ける

「――我ら『混合魔獣キメラ』種は、すべての生物の頂点に位置し、 高い知能でもって他の魔物を導く――。 そうだな? セツナ。 私が言っていることは、なにか間違っているか?」  わたしは黙りこんだ。 目の前には、この地域の魔物を統べる…